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「上司に怒られてしまった。でも、上司は自分のためを思って言ってくれてるんだ」
「失敗しても絶対に大丈夫」
ストレスって絶対ポジティブに捉えた方がいいという意見を聞くことが多いのではないでしょうか。
しかし、そんな中、ストレスをまず味わおうと声をあげるのがzoomアイデアソンvol.12
「ときめきから広がるメンタルヘルスで10代の自殺をなくす」
(イベントレポート:
に登壇された、「Hidamari Station代表・心のパーソナルトレーナー 高橋とも」さん。
学校の保健室の先生という枠を飛び出して、「ココロの出前保健室」を手掛けるともさんの話を通じ、ストレスに向き合うことに迫ります。
「自分は生まれなければよかった」と思った幼少期。
「あなたのせいで私は幸せになれなかった。もっと自由な人生があったのに。」
毎日ともさんはお風呂でお母さんにこの言葉を聞かされたそうです。
ーー生まれたときから親御さんに愚痴を言われていたんですか?
はい。最初の記憶は保育園の3,4歳ぐらいの時ですね。毎日愚痴ばっかり聞かされてた記憶があります。
ーー幼少期から辛い思いをされてきたんですね。
辛いというよりごめんなさいって気持ちで過ごしてきました。
幼稚園くらいの頃は「自分が悪い子だからお母さんは怒っているんだ。自分が全部悪いんだ。」と思っていました。
発達段階において幼い頃はそういう思いしかできないんです。
虐待がなかなか明るみにならないのって、そういう背景もあるんだと思います。
ーーなるほど。他に幼少期の記憶はありますか。
あまり覚えては無いんですけど、両親がケンカして母親が出ていくときの「バーン!」ってドアを閉める音が強烈に心に残っていますね。
ーー心が痛いですね。。
痛かったです。
学校でもいじめとか受けたり、家にも居場所がなくて、攻撃する人はたくさんいるのに、どうしてその状況を変えようとする人はいないんだろうと疑問に思っていました。
思春期になるとその思いが強くなりましたね。だから私は、私だけは自分の人生は自分で決めて進みたいなって思いました。
幼少期の経験を糧に、中学生からともさんはテストや生徒会活動に精を出し、自分で人生を進み始めます。
自分の気持ちを隠さず開示することの大切さ。
ーーどんな中学生活だったんですか?
実は中学生でもいじめられて。学級委員長とか生徒会で、ヤンキーチックな子とおとなしい子をつなぐ、みたいなことをしたくて。そしたら「何いい子ぶってるの」といじめられました(笑)
あと、先生にも目を付けられました。
ーーどんな先生だったんですか?
いじめられている子がいてて、
先生は私に「Aさんがいじめられないようにお世話しといてくれる?」って頼んできました。
私は「Aさんが同情されることないし、Aさんだっていいとこあるし、みんなでできないことを補っていったらいいんじゃないですか?」って伝えたら、その日からすごく冷たくされました。
ーー辛い。。味方はおられなかったんですか?
1人だけいて。中学校の社会の先生でした。
「俺はもう生徒としてじゃなくて1人の人間として見るから」って言ってくれて。
ーーすごい!どういうきっかけがあったんですか?
1回その先生にめっちゃ怒られて。1人の子がやったことをみんなでやったことと先生が勘違いして怒られたんです。
その時に私は授業の後で「みんなっていうのを決めつけないでください」って言いに行きました。そこからなんでも話せるようになりました。
ーーそうやって自分の気持ちを隠さず開示することがいい関係を築けている理由なんですね。
はい。私は違うことは違うって言うし、正解って無いと思ってて。
「私はこう思ってます。あなたはほんとはどう思ってますか?」って言うのをしたくて。
だから自分から思ったことは伝えに行きますね。
ーーなるほど。じゃあ幼少期から変わられたんですね。
はい。幼少期は傷ついて、自分は生まれてこなければよかったんじゃないかなと思っていました。でも自分の体験をきっかけにした発見がたくさんありました。
自分のしたいことをするためには、想いを人に伝えないと伝わらないし、その人の見方や感じ方を聞かないと人の想いの本質は見えないと気づいたんです。
ーーすごい!悩んだときに悩みを聞いてもらうんじゃなくて自分でコントロールしていくんですね。
はい。23歳ぐらいまで呪縛に駆られてしんどくて。そんな人を増やしたくないって想いがあって。母も母でやりたくてやってたわけではないから、母のような人を生み出さないためにどうしたらいいかっていうので人生貫きたいんです。
悩みをポジティブに捉える前に味わう。
ーーポジティブなんですね!
はい!でも今は社会的には「時間も合理的!」「シンプルに!」「ポジティブ最高!」みたいな考え方が私は苦手ですね。
ほんとなら悩んで抜け出せないところにいるのに「ポジティブ思考、いぇーい!」って言うのは本当の自分じゃないと思う。
ポジティブってなるものじゃなくて、勝手に内側から生まれてくるものだと思っています。
自分が哀しいとか苦しいっていまそう思ってるのが自分やなってみんな気付いてほしいし、自分の気持ちに正直になれるステップを飛ばさないのが大事だと思います。
失敗したときに受け止めてもらえたり、失敗したけどこんなんできたよ!って一個ずつ階段を上って行って初めて「いぇーい!」とポジティブになれると思います。
ーーストレスやモヤモヤをポジティブに捉えることも大事だけどその前にまず自分の状態を知るというのが大事なんですね。
私が大事にしてるのは「ありのまま」を受け止めるということ。
心がへこんでいるのもありのままやし、自暴自棄になってるのもありのまま。 誰だってそんなときはありますよね。
恋人とかに「今自分めっちゃ自暴自棄になってて」というのを言えると言うことはそれは自分自身にオッケーを出してるってことだと思います。
それがオッケーを出せていなかったら「恋人の前ではかっこいいとこ見せよう」となる。
もし自分にオッケーを出して言ってもらったらじゃあ相手は「どうその状況を活かせるか」を考えてくれるはずです!
恋人とかに「今、実はめっちゃ自暴自棄になってて、だからイライラしているの」と伝えるのもすごく大切なコミュニケーションだと思います。
自分自身のありのままを見つめて、そこにOKを出してることが前提で、そこではじめて誰かを大切にできるんじゃないかなと思うんです。
その前提がないままだと「恋人の前ではかっこいいところ見せよう」となってしまって、偽りの自分がどんどん積み重なってしまうと思うし、結果的に、自分もしんどくなってしまったり、相手を幸せにすることにはつながらないと思います。
カッコ悪い自分にOKを出してみると、そこから抜け出したくなって、良い方向に成長意欲が出てくるんですよ。
そんな人間って面白いし、素敵な生き物だと思います。 だから人が好きでたまりません!
「私は気遣ってストレスを溜めやすい」
「人の表情を気にしてしまう」
もちろんそういったところを受け入れることは大事なのだけど、その前に虐待といった家庭環境など、背景にしっかりと向き合うことが大事なのだとともさんの話を聞いて思いました。
周りの人が悩んだり傷ついたりしていたら、気遣うのではなく背景を認めてあげてみてはいかがでしょうか。
いろんな背景を知り、受け入れることでストレスやモヤモヤは減らせると信じています。地域に関係なく、自分らしく生きられる選択ができる人を増やして。
まーきち
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